大阪市の中小企業経営者様、人事労務担当者の皆様、こんにちは。大神人事労務事務所です。
少子高齢化に伴う労働力不足が深刻化する中、優秀な人材の「確保」と「定着」は、企業の存続を左右する最重要課題です。特に、従業員の結婚や出産、育児といったライフイベントの局面で、いかに「仕事を諦めずに働き続けられる環境」を整えられるかが、今後の採用競争力を大きく左右します。
しかし、中小企業の現場からは、このような本音もよくお聞きします。
- 「育休を取得させてあげたい気持ちはあるが、ギリギリの人員で回しているため、残された現場の負担が大きすぎる…」
- 「育休中の代替要員として新しく人を雇いたいけれど、そのための採用コストや人件費を捻出するのが難しい…」
こうした悩みを抱える大阪市の中小企業に、ぜひ今すぐ知っていただきたい心強い制度があります。それが、厚生労働省が実施している「両立支援等助成金(育休中等業務代替支援コース:新規雇用)」です。
今回は、この助成金の概要や受給要件、大阪の中小企業が活用するメリット、そして実際の申請に向けた実務上のポイントまで、3,300文字超のボリュームで徹底的に分かりやすく解説します!
1. 「育休中等業務代替支援コース(新規雇用)」とは?
「両立支援等助成金」は、従業員の仕事と家庭の両立を支援する取り組みを行った企業に対して支給される国の助成金です。
その中の一つである「育休中等業務代替支援コース」は、「育休を取得する従業員の代わりに、新しく人を雇って(または既存の従業員に手当を支払って)業務をカバーした場合」に、そのコストの一部を国がサポートしてくれる制度です。
今回は、その中でも特にハードルが高いとされる「新規雇用(代替要員の外部からの採用)」にスポットを当てて解説します。
主な支給額
この助成金(新規雇用)は、育休を取得する従業員の代わりに「代替要員」を新たに雇い入れた場合、対象となる育休取得者1人あたり、以下の金額が支給されます。
- 支給額:9万円~81万円(育休中に業務代替した期間に応じて変わります)
- さらにプラチナくるみん認定企業などの場合:加算措置あり(※要件を満たすことで最大さらに増額されます)
「新しく人を雇うとなると、求人広告費や給与でコストがかかる」と躊躇していた企業にとって、この「最大81万円」という一時金は、採用コストや初期の教育コストを補填する非常に大きな原資となります。
2. 大阪市の中小企業が今、この助成金を活用すべき「3つの理由」
なぜ今、大阪市の中小企業にこの助成金の活用を強くお勧めするのでしょうか。そこには、現在の労働市場と中小企業を取り巻く3つの切実な背景があります。
① 「求職者から選ばれる会社」になるための最強のPRになる
大阪市内は、サービス業、製造業、IT業など多種多様な企業がひしめき合う超・激戦区です。大企業に比べて知名度や給与水準で不利になりがちな中小企業が優秀な人材(特に若手や女性)を獲得するためには、「安心して長く働ける環境があること」をアピールすることが最大の武器になります。
「育休取得実績あり」「代替要員を会社負担で雇用し、休む人の仕事をカバーする仕組みがある」という実績は、求人票において非常に強い引きのある文言(フック)になります。
② 残されたメンバーの「離職」を防ぎ、エンゲージメントを高める
育休取得で最も恐ろしいのは、「残された周囲のメンバーに負担が集中し、不満が溜まって連鎖退職が起きること(育休ハラスメントや周囲の疲弊)」です。
「育休に入るから、残ったメンバーでなんとか仕事を引き取ってくれ」と丸投げするのではなく、会社が「代替要員を新規で雇うから安心してほしい」という姿勢を示すことで、組織全体の安心感と会社への信頼感(エンゲージメント)が飛躍的に高まります。
③ 助成金を活用して「採用・定着のコスト」を相殺できる
求人媒体に広告を載せるだけでも、数十万円のコストがかかる時代です。この制度で得られる助成金を、代替要員の採用活動費や、代替要員が現場に馴染むまでの教育訓練費に充てることで、組織補強のための負担を軽減することが可能になります。
3. 助成金受給のための「主な要件」をチェック!
国から助成金をもらうためには、いくつかの厳格なルール(要件)をクリアする必要があります。ここでは、特に重要なポイントを整理してご紹介します。※ここでご紹介している要件の他にも細かい要件がございます。
| 要件項目 | 満たすべき具体的な条件 |
| 対象となる会社 | 雇用保険の適用事業主であり、資本金や従業員数が「中小企業」の基準を満たしていること。 |
| 育休取得者の要件 | 雇用保険の被保険者であり、7日以上の育児休業を取得し、その後原職に復帰すること。 |
| 新規雇用の要件 | 育休を取得する従業員の代替要員として、「新たに」労働者を雇い入れまたは派遣労働者を受け入れること。(※育休に入る前から、引き継ぎのために一時的に並行して雇用することも可能です) |
| 勤務実績の要件 | 新規雇用された代替要員が、被保険者として一定期間以上その会社で勤務していること。 |
| 就業規則等の整備 | 育児・介護休業法に準拠した最新の「育児介護休業規程」が整備されており、労働基準監督署に届け出ていること。 |
※ 注意ポイント:引き継ぎ期間の重複雇用も対象!
「代替要員を雇うにしても、産休育休に入る本人がいるうちに引き継ぎをさせたい」という要望は当然ありますよね。この助成金では、産休育休開始前の引き継ぎ期間中に、一時的に育休取得者と代替要員の在籍が重複していても対象となりますので、ご安心ください。
4. 申請から受給までの具体的な流れ(シミュレーション)
助成金申請は、タイミングを1日でも逃すと「1円も支給されない」という厳しい性質を持っています。いつ、何をすべきか、流れをイメージしてみましょう。
【ステップ 1】事前の就業規則・社内規定の整備
【ステップ 2】育休取得予定者の発生 & 代替要員の募集・採用
【ステップ 3】代替要員への業務引き継ぎ(重複雇用OK)
【ステップ 4】従業員の育児休業スタート & 代替要員の業務従事
【ステップ 5】従業員の育休終了・原職復帰(育児休業期間が1か月以上の場合は、ここから3ヶ月以上の継続雇用が必要)
【ステップ 6】助成金の申請&審査の後に支給可否決定
詳しく解説する実務のステップ
ステップ1:就業規則のアップデート
まずは自社の「育児介護休業規程」が最新の法改正に対応しているか確認します。法律違反の状態の規程のままだと、どんなに良い取り組みをしても申請が通りません。不備がある場合は、事前に更新を行い労働基準監督署へ届け出を行います。
ステップ2:代替要員の確保
育休に入る従業員の業務内容を整理し、代替要員を新規雇用します(求人サイト、ハローワーク、派遣会社などの活用)。
ステップ3:育休取得と代替スタート
対象従業員が育休に入ります。代替要員がしっかりと業務をカバーしている実績(タイムカード、給与明細など)を残しておきます。
ステップ4:復帰と「3ヶ月」の壁
育休を取得した従業員が、無事に元の職場(原則として原職または原職相当)に復帰します。育児休業が1か月以上の場合は、復帰後、さらに「3ヶ月以上」継続して雇用されていることが申請の条件になります。育児休業期間が1か月未満の場合は原色に復帰後すぐにステップ5の申請手続に移ります。
ステップ5:申請手続き
要件を満たしたら、定められた申請期限内に必要書類を管轄の労働局(大阪府の場合は大阪労働局)へ提出します。
5. 失敗しがちな「3つの落とし穴」と対策
「せっかく人を雇って育休も取らせたのに、申請が通らなかった…」という悲劇を避けるために、中小企業が陥りがちな罠を共有します。
落とし穴①:就業規則(育児介護休業規程)が古いままだった
日本の育児介護休業法は、ここ数年で何度も法改正が行われています(出生時育児休業「産後パパ育休」の創設や、雇用環境整備の義務化など)。自社の規程が数年前の古いテンプレートのままだと、審査の段階で「規程が不適正」とみなされ、不支給となるケースがあります。
- 対策: 申請前に必ず社労士などの専門家にリーガルチェックを依頼しましょう。
落とし穴②:代替要員の「雇い入れのタイミング」のミス
代替要員を雇い入れる時期が早すぎたり、逆に遅すぎたり、雇用契約書の「雇用期間」の記載が曖昧だったりすると、育休取得者の「代替」として認められない場合があります。
- 対策: 代替要員を雇い入れる際は、雇用契約書に「〇〇の育児休業取得に伴う代替業務」等の趣旨を明記し、関連性を客観的に証明できるようにします。
落とし穴③:復帰後の勤務実態や給与の不整合
育休から復帰した本人の出勤簿(タイムカード)や賃金台帳の記載に不備があると、審査で細かく突っ込まれます。また、残業代の未払い(未払い残業)が発覚した場合、もちろん清算が必要になります。
- 対策: 労働時間の適正な管理(勤怠管理のシステム化など)と、給与計算の正確性を日頃から徹底しておくことが不可欠です。
6. まとめ:大阪の「人を大切にする企業」を大神人事労務事務所がサポートします
「両立支援等助成金 育休中等業務代替支援コース(新規雇用)」は、中小企業にとって「資金的な負担を減らしながら、社内のインフラを整え、採用力を上げる」という、一石二鳥にも三鳥にもなる素晴らしい制度です。
しかし、ここまでお読みいただいて分かる通り、
- 「自社の就業規則が今の法律に合っているか分からない」
- 「ハローワークや労働局に提出する書類の作成や、スケジュール管理が煩雑で手が回らない」
- 「本当にうちの会社で要件をクリアできるのか不安」
といった不安を感じられる経営者様・人事担当者様も多いのではないでしょうか。
助成金は「知っているか知らないか」、そして「正確に行動できるか」がすべてです。せっかく従業員のために素晴らしい環境を整えようとしているのですから、事務手続きの不備で受給を逃してしまうのは本当にもったいないことです。
大阪市の中小企業を全力で応援する「大神人事労務事務所」では、企業の現状に合わせた就業規則の改定から、助成金の受給可能性の診断、面倒な申請書類の作成・提出代行まで、ワンストップでサポートしております。
「うちもこの助成金、使えるかな?」と思われたら、まずはぜひ一度、お気軽にご相談ください。従業員の皆様が安心して働けて、会社もぐんぐん成長していく、そんな理想の職場づくりを一緒に目指しましょう!
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